前回の記事で中国の戸籍(戸口)について少しふれました。さらに詳しく書いてみようと思います。
http://www.office-komoto.com/2019/05/22/property/
日本で不動産の名義人となる中国の方も増えてきましたし、相続などで家族関係を調査する際に中国の戸籍が出てくることもあるかと思います。
日本では本籍地と住所があり、どちらも任意に変更できますが、中国では、戸口という戸籍のようなもの(日本の戸籍とはいろいろちがうのですが)があります。戸口(以下、戸籍と当ブログで記載します)を中国人が移動するのはとても大変で、厳しい条件を満たす人が複雑な手続を経てようやく、可能になります。特に上海や北京など、大都市の戸籍を取るのはとても大変で、限られた人しかできません。
13億人という人口の多さは、日本の感覚ではなかなか理解できないボリュームです。その人口が自由に移動するとどうなるでしょうか。条件の良い都市に人があふれ、社会福祉やサービスが追い付かなくなり大変なことになります。
戸籍を移動する条件というのは、ついている仕事内容や資産状況などがあり、また高度人材などにの要件を満たす人(留学経験、学歴、能力などで)などは特別に優遇されるということもあるようです。
では、わざわざ大都市の戸籍を取るのはなぜかというと、条件が整った北京や上海など大都市の戸籍(北京人、上海人であること)自体がステータスであり、また例えば今回ご紹介するブログにでてくるように、住宅ローン申請資格に上海戸籍が必要だから、などいろいろあります。
そのためにいろいろな書類や情報を集め、手続きをすることになります。実際どんな感じなのか、、こちらのブログがとても詳しいです。ブログを書かれた阿信さんの許可をいただきリンクを貼ります。(臨場感あるブログで、実際の中国生活の様子が生き生きと伝わってきます。是非ご覧ください。中国人と結婚された、上海在住の方です)。戸籍手続きのエージェントまで存在するようですね。
前回のブログ写真の包落戸というのは、この不動産を買うと、天津の戸籍がとれるというものでしたが、都市戸籍が欲しい人はこういう方法もあるそうです。天津も直轄市ですから、戸籍を移したいというニーズがあるんでしょうね。
企業や大学などによっても手続きしてくれるところがあるそうです。
なお、戸籍を移さないと人が移動できないのではなく、多くの人が、就職や就学などで都会に移動し生活しています。ただ都市戸籍がないと子供を学校に通わせることができない(又は授業料が非常に高額になる)などの制約があります。そのため両親は都会で働き、子供が就学年齢になると、故郷の実家で祖父母の元に預け、学校に通わせるという人も多いのです。
この戸籍の確認等の実務(同業者の方はこちらが気になると思います)については、また追ってブログに書こうとおもいます。
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