2022年、令和4年になりました。本年もよろしくお願いいたします。

先日、映画「ボストン市庁舎」が気になるとブログに書きましたが、お正月に久々に(12年ぶりくらいになります)映画館に足を運んでみてきました。

上映時間が4時間32分もあり、途中で休憩を挟んでの長丁場でしたが、飽きることなく、興味深く見ていました。フレデリック・ワイズマン監督の作品は初めてでしたが、ドキュメンタリーで背景の音楽もなく、いろんな場面が淡々と映し出されていきました。

https://cityhall-movie.com/ https://mubi.com/films/city-hall-2020

気になる映画「ボストン市庁舎」

市役所(映画名は市庁舎となっていますが、ブログでは市役所と記載します)は、いろんな仕事を扱っていて、市民からの問い合わせなどを受け付けるコールセンターをはじめ信号の管理、建築確認、福祉施設や出店許可(それに関する住民との交渉場面)、駐車違反切符への異議申し立て場面、また異文化を理解するためのイベントなどいろいろ出てきました。

https://www.boston.gov/ボストン市ホームページ

個人的には、実務で書類を目にすることが多い、アメリカの出生届や死亡届を扱う場面も見たかったです。

映画撮影当時のマーティ・ウォルシュ市長をはじめ、スタッフや市民たちもたくさん出てきます。説明がないので、どんな場面なのかわかりにくいことも少しありましたが、役所と市民の対話の場面では対等に議論が行われていました。

そこで、みんな議論がとても上手なことに気が付きました。自分の主張をうまくまとめて、相手に伝え、相手の意見をきいてそれにあわせて自分の主張をする。議論は喧嘩ではなく、あくまでもコミュニケーションの一つのはずですが、日本では議論をすることは相手と対立するかのような認識を持つ人もいて、自分の意見を主張することはあまり好まれない傾向が強いと感じています。学校でもスピーチをして自分の考えを表明したり、議論=ディスカッションをする練習はあまり行われていません。

また、ボストン市はアメリカでも歴史が古く、イギリスから独立の過程でもボストン茶会事件をはじめ、いろんな出来事があった場所です。街並みもちょっとクラシカルな感じがして素敵だと思いました。多民族で多文化な住民がいるボストン市、ダイバーシティも進んでいるようで、職員もいろんな人種民族バックグラウンドの人がいました。

マーティ・ウォルシュさんは今はボストン市長を辞任して労働長官になられたようです。今の市長は台湾系のハーバード卒の女性なのですね。

https://jp.reuters.com/article/usa-senate-labor-secretary-idJPKBN2BF04M

https://www.boston.gov/departments/mayors-office/michelle-wu

https://www.sankei.com/article/20211103-SAPKSAJEOFP2XHIWIJMYFT2QEM/

ダイバーシティが言われるようになり久しいですが、日本も外国人の市民が増えてきていますし、さらに増えていくのではないかと私は考えています。また国際化した世の中にあって、多文化への理解や、自分とはバックグラウンドが異なる人たちへの理解もこれまで以上に必要かつ大切になってくると思います。

人間社会のなかでは利害が対立することもあり、それは避けられないことだと思います。だからこそ、きちんとお互いに議論や主張をして、自分の事だけ考えるのではなく、自分と違う立場の人の存在を認めることが、より大切だと私は考えます。できることは限られるかもしれませんが、各自がそういう意識を持つだけでかなり世の中が変わるのではないでしょうか。