先週の土曜日に、神戸に行きまして、私の所属する渉外司法書士協会の定例会において「中国人が当事者となる業務及びその他渉外事例報告」というタイトルで講義を担当させていただきました。会場での集合研修と、zoom配信のハイブリッド形式での実施でした。
内容は、まず中国の概要、中国語、近代史について。近代史は、相続などの際に、書類の発行主体がどこになるのか判断するための前提知識としても不可欠かとおもいます。
それから、中国の法律について、趣旨など日本と異なる部分、新しく施行された中国民法典について説明しました。次に、登記手続の際などに必要になる具体的な必要書類を考えるにあたり、中国の戸口制度をはじめとする身分登録制度、公証処について資料を提示しながら紹介しました。渉外案件で公証処で作成した声明書を使うケースが多いと思いますが、中国の公証処は学歴証明なども含む様々な書類を扱っていて、日本の公証役場とはかなり違っています。どういうところで、どのように手続きをするのかお話しました。実際は、日本で発行された書類には公印認証や中国大使館の認証が必要だったり、なかなか面倒ですね。
また、司法書士業務において、中国人が当事者となる場合の留意点として、登記申請書類に記載する文字、遺言、外国人が当事者の場合に不可分である在留資格、そしてスムーズなコミュニケーションのために私が考えているコツ(?)をお話しました。
最後に、渉外案件の事例報告(アメリカ財産の相続手続)と質疑応答でした。質問もけっこうありまして、関心度の高さがうかがえました。
ただ、zoom配信で音声トラブルがあり、zoomで参加いただいた方には聞き取りにくい講義となってしまいました。会員向けサイトにアップする動画がうまくとれていなかったので、後日もしかしたら再度録画する可能性もあります。
研修は午後からだったので、午前は早めに神戸に行き、神戸華僑歴史博物館に行ってみました。神戸といえば華僑や中華街が有名なので、気になっていたのです。孫文にまつわる講演会のポスターがあったり、味覇でおなじみの廣記商行など、華僑の人たちの歴史が展示されていました。雰囲気としては、中国大陸というより、台湾やシンガポールなどの雰囲気に近い感じがしました。実際福建会館というビルがあったり、南方から来た方が多いようです。あまりゆっくり見れなかったのですが、また機会があればじっくり行ってみたいと思います。
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